2015年4月16日木曜日

ホヤってナンダ?



漢字だと「海鞘」とか、「老海鼠」って書くらしい。
海のサヤ?
老いたナマコ?もしくは海のネズミ?

「ホヤ」って、なんとなーくは知ってるつもりだけど、なんだかよく分からない生物でした。
珍味として酒のつまみに食べたことあるような気もするけど、あんまり覚えてない。
そもそも、「ホヤ」って魚なの?海草なの?貝なの?

というわけで、雄勝で漁業体験をしてきて、獲りたてのホヤを漁船の上で捌いて、その場で食べるっていう体験をしてきたので、ホヤについて調べてみました。

そして、調べた結果、結局よく分からないままだったので、分からないまま分からないように書きます。

まず、ホヤのことを「ホヤ貝」って呼ぶことがありますが、正確には貝ではありません。
じゃ、なんなの?
ホヤは、ホヤなんです。
貝でもなく、魚でもなく、ましてや海草でもない。 「ホヤ綱」に属する海産動物、と。

海中にブイにつないだロープを投げ込んでおくと、そこにホヤが産卵付着し、育ちます。最初はちっちゃいホヤが、だんだん育って大きくなり、産卵と成長を繰り返して食べごろの大きさになります。
今回、漁船で食べたホヤは、四年目のホヤ。適度な大きさで、かなり鮮やかなオレンジ色。
見た目は、なにやら南国フルーツにも似ています。「海のパイナップル」って呼ばれてるのも納得。

目はありません。多分、耳も鼻もありません。
口らしい吸い込み口と、そのすぐ隣に吐き出し口があります。
ホヤを捌くときに、「じゃ、このプラスとマイナスの、マイナスの方を手前にしてー」って言われて、「え?ホヤにプラスとマイナスがあるの???」って思いましたが、あるんです。ホヤには「+」と「-」が。

二つある口のうち、「+(プラス)」の形をしている方が吸い込み口で、「-(マイナス)」の方が吐き出し口です。



さばき方は、両方の口をナイフで切り落とし、縦にツツーーと切り込みを入れ、中の身をグリンと指を突っ込んで取り出し、肝臓やらゼリー状のなにやらを落としつつ、腸を切るか絞るかしてスルッとフンを捨て、海水で洗ってその場でパクリといただきます。

見た目は、黄色い色と言い、ブヨブヨ具合と言い、熟しきった柿みたいな感じ。ゼリーっぽい質感の部分もありつつ、歯ごたえのある部分もあったりして、かつ味も部位によって微妙に違っています。
「いったい誰が、これを食べ物だと思ったんだろうか?」っていうくらい、地球外生命体感がハンパない見た目ですが、獲れたてのホヤ味はみずみずしくて甘みもあって、鼻腔を抜ける芳香はまるで「海そのものを食べてる」みたいで、とにかくうまい。
ホヤを食べた後、陸にあがってから磯の香りを嗅いだら、ほぼ条件反射的にホヤの味が甦って、また食べたくなったのがなんとも不思議。海そのものをまるっともいで、そのまま食べた、みたいな。



今回、僕らを案内してくれたのは、雄勝の旬の海の幸を予約購入できる「雄勝そだての住人」代表の佐藤一さん。漁師さんから直接ホタテやホヤなどの海の幸が購入できる、「雄勝そだての住人」というコミュニティやイベントを運営しています。単なる産地直送の海産物ネット販売ではなく、雄勝とその漁業を育てるという「応援団」っていう考え方が面白いです。

この夏オープンする体験型学習施設MORIUMIUS(モリウミアス)では、このような漁業体験など、子供たちが森や海などの自然を体験しながら学ぶことができる施設になる予定です。ただいま、築90年以上の小学校だった施設を全面改築中。そこで、ボランティア作業もしてきたので、それについてはまた別途記事を書きます。

それにしても、この記事を書いていたら、あの新鮮なホヤをまた食べたくなってきてまいった。
海を食べに、また訪れたい。


MORIUMIUS(モリウミアス)
http://www.moriumius.jp


日曜アーティストの工房 TOMAKI)